ブレーキのエア抜き
これについてはやったことある人も多いかと思います。私自身も2年に1度(車検時)にはフルードを交換しているので、手慣れた作業の1つです。今回、ブレーキキャリパーをO/Hし、車体に取り付けたので、いつもと同じようにエア抜きをすればいいや。ぐらいに考えてました。
いつまで経っても終わらないエア抜き地獄
しかし、いつもと同じ方法(レバー握る→ブリーダーバルブ緩める→バルブ締める→レバーを離す)でやっていても一向にレバーがスカスカ。キャリパーからエア抜きしない限りはレバースカスカなんかな?とか思い、キャリパーからエア抜きをしてみる。
こちらからもフルード大分抜いたし、エアが出てこないようなのでもうエア抜けたかな?とレバーを握ってみる。が、やはりレバーをスカスカ。次は、マスターシリンダー側にエアが噛んでるのかな?と思い、マスターシリンダー側からエア抜き。
レバーを握りながら、ブリーダーバルブを緩めるとブシュッとエアが抜ける音がしました。レバーを緩めずに、ブリーダーバルブを閉めました。これを2、3度繰り返しました。※フルードがこぼれるのでバルブ周辺に水を染みこませたウェスを置いておくこと。
しかし、レバーはスッカスカ。
いや、これ絶対おかしい・・・。(作業開始から2時間近く経過
ネットで検索
とにかくググりまくっていくつかの方法を見つけました。一番お手軽なのはシリンジを使ってキャリパーからエア抜きをする方法。早速、家の隣の100均に行くもシリンジが売っていないのでそれまた隣のカーマで400円ちょいぐらいで購入。キャリパーのブリーダーバルブに繋いでエア抜きしてみる。面白いぐらいエアが抜ける。1時間後にブレーキレバーをチェックするがやはりスカスカ。本日は一旦終了となった。
反省
その日の夜に「ブレーキ エア抜き」のキーワードでググって色々勉強してみる。ここで学んだことを書き出してみる。
・どうやらオイルラインを空っぽにしたときのエア抜きは
フルード交換時のエア抜きと違い、エアが入る箇所が
多いのでエア抜きにかかる時間が段違い。
・ブリーダーバルブを緩めるときに緩め過ぎないこと。
→緩め過ぎるとそこからエアを吸ってしまう可能性がある。
・エア抜きしているときのシリンジの位置にも気をつける。
→エアはフルードより軽いので上に行こうとする。
シリンジを高い位置に置いておくとホース内のエアが
スムーズにシリンジまで抜ける。
・リザーブタンクからフルードを注入するオーソドックスな方法と
キャリパー側のブリーダーバルブから注入する方法がある。
翌日の夜
嫁さんと子供が寝静まった後、先ほど列挙した反省点を念頭におきガレージでエア抜き作業をやってみることに。やり方は前日と同じく、キャリパーのブリーダーバルブにシリンジを繋いでエア抜く方法。しかし、やはりレバーはスカスカ。作業時間は1時間半ほどだが、レバーの重さが全くもって変わらないためどこかが間違っているはず。前日に行った内容と併せて色々と考えてみる。
・対向4potキャリパーなので、構造的にはエアが抜けにくい。
・キャリパーのO/Hに失敗?
→キャリパーからフルードの漏れは無い。
・バイクのマスターはフルードを送る量が少ない。
さらにマスターが劣化しているとさらに送る量が少なくなる。
→シリンジで負圧にしているため問題はないはず
・ピストンを出して、戻してやるとエアが抜けるらしい
→試してみよう
うーーーん、よく分からん。
分からんが、次はキャリパー側からフルードを入れてみよう。
また翌日の夜
またまた、嫁さんと子供が寝静まった後にガレージへ。
小さいガレージですが、こうして室内で作業出来るのは本当にありがたい。建てて良かった。
この日はキャリパーのブリーダーバルブからフルードを注入する方法を試してみることにしました。シリンジを繋いだホースをブリーダーバルブに繋ぎ、ブリーダーバルブからホースが抜けないようにタイラップをしておきます。そしてバルブを緩め、フルードを注入していきます。すると、リザーバータンクの油面が上がると同時にプクプクと小さいエアが出てくるのが分かります。おおっ、これはなんか期待出来そうだ!!ある程度、注入した後は通常のエア抜きを試します。うん、うん、これでもエア出てこないね。よし、これだったらブレーキレバー握ったr・・・スカスカ
いや、ほんまこんな整備沼久々過ぎて死ぬ
こんな整備沼、NSRの4速以上で回らないやつのとき以来です。
とはいえ、私も自動車エンジニアの端くれ。しかも、実験部門。言ってみればプロですからね。プロ。まあ、担当はエルゴノミクス(人間工学)ですが。というわけでちょっとインターバルを置いて、時間が取れる日に挑戦することに。
最終決戦
そんなわけで最終決戦です。これでダメだったら恥を忍んでお店にお願いする覚悟で挑みます。最終決戦で試そうと思っていたことは下記の内容。
・ピストン押し戻し法
→ピストンを押したり戻したりしてエアを抜く方法。
主にエアが抜けるのはピストンを戻したとき。
コツは一気にピストンを戻すことと、フルードの経路を
ちゃんと頭で考えること。
・フルードを注入する前にピストンを戻しておく
→ピストンがあらかじめ出た状態でフルードを注入すると
エアが噛みやすい状態になっているため、エアが
多く残ってしまう。それを避けるにはあらかじめ
ピストンを戻しておく
とにかくこの2点を集中して取りくもうと考えていました。でも時間があれば何か有益な情報は落ちていないかなぁ、と思ってネットを検索していてその時たまたまヤフー知恵袋を開きました。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jpブリーダーバルブが下向きとか、絶対エア出てこねーじゃんwww※と、色々調べまくって知識だけは付いてるのでこれはアテにならない情報とか思い、やっぱり後はとにかく時間かけてエア抜きするしかないかなぁ、とか思ってたんですけどなんか引っかかって愛車の写真とGoogle検索でのブレーキキャリパーのブリーダーバルブに注目。
※エアは軽いので上に行く性質がある。すわなち一番低いところから吸おうとしてもエアは遙か高いところにいるという話
いやーーーーーーー明らかにブリーダーバルブの位置違ってるでしょwwwエアが吸えるわけないでしょwwwwwwうわっっっwwwwwwはずwっっwいwwwwww
もう草が生えすぎて大草原
ちなみにちゃんと組み付けて、キャリパーからフルード入れて、ピストン2、3回戻して、後は通常のエア抜きしてやれば2時間ちょいで終わりました。
一応ちゃんとエア抜きの方法を
前提条件
・オイルライン、キャリパー内のフルードは空
・キャリパー内のピストンは完全に戻してある
エア抜き
・ホースを繋いだシリンジを引っ張りフルードをシリンジに充填
・シリンジ先のホースをキャリパーのブリーダーバルブに接続
・ブリーダーバルブを緩め、フルードを注入
・この作業をリザーバータンクがいっぱいになるまで繰り返す
・フルードを注ぎ終わったらブリーダーバルブを閉める
・キャリパーを取外し、パッドも取外し、ピストンを戻す
・レバーを握りピストンを押す→戻すを繰り返す
・Wディスクの場合はもう片方でこれを繰り返す。
(先にマスターから遠い方からするといいらしい)
(マスターのツラまで油面きてるともう片方のキャリパーまで
フルードが回ってます。フルード注入するときに硬いと
思ったら大抵回ってるのでそれ以上入れなくていいです。)
・通常のエア抜き
で、ここまでやるとレバーちょっと硬くなってきてるかな?ってのがあると思います。あとは地道にコツコツ通常のエア抜きをやれば2時間もかからずにエア抜き出来ると思います。是非お試しあれ。